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“ポジション”を取っていない提案書は提案書ではない。

コンサルティングとは何か。提案とは何か。

何でもそうですが、行動しなければ未来は変わりません。
企業のマーケティング活動も例外ではなく。

 
私の職業は世間一般的?に「ウェブコンサルタント」という呼び名になりますが、自分では「ウェブアナリスト」と言うことが多いです。

 
理由は「コンサル」という単語が”胡散臭い”という印象を与えてしまうのではないかと危惧しているからです。

 
実際は優れた人が多い非常に難しい職業だと思っていますが、弁護士のように国家試験があるわけでもなく、名刺に入れる=名乗るだけなら誰にでもできてしまうため、かつ、なんかカッコイイしそれっぽいことを言ってお金を取るという胡散臭い人が世の中にたくさん出現してしまっているのも事実で、そのせいで。とはいえ自分が立派なコンサルタントだなんておこがましいことは言いません。じゃあ「ウェブアナリスト」は胡散臭くないのかと言われると、むしろ何やってる人か、すらピンとこないパターンが多いです。。。

 
ちなみに「コンサルティング」とは、

コンサルティング【consulting】
専門家の立場から相談にのったり指導したりすること。また、企画・立案を手伝うこと。

出所:「デジタル大辞泉」

「専門家」とあります。
専門家といってもその知識や経験はまたピンキリみたいな話になり。。。
すみません、言葉遊びをしたいわけじゃないです。
広義だということが言いたかっただけです。

 
まぁそんな呼び方なんてあって無いようなものなのでどうでもよいのですが。

 
もとい、自分の存在意義は「提案」だと思っています。
過去のデータや情報を収集し、それらを分析し”今後何をすべきか”をクライアントに提案します。

 
「提案」とは、

てい‐あん【提案】
[名](スル)議案や意見を提出すること。また、その議案や意見。

出所:「デジタル大辞泉」

となっていて、その中に出てくる「議案」とは、

ぎ‐あん【議案】
会議で審議・決定するための原案。議事の対象となる案件。

出所:「デジタル大辞泉」

となっています。

 
つまり、「審議・決定」の対象にならないものは「提案」とは言えない、ということです。

 
では具体的に、アウトプット=提出資料はどのような内容になっていなければいけないでしょうか。

 
例えば「前月比150%でした」だけでは審議・決定の対象にはならないですよね。
「来月のリスティング広告費を○○円にすべきです」であれば審議・決定の対象にはなりますかね。(もちろんきちんとした根拠ありきの話です)

 
「提案」とは、「○○すべきです」と具体的な行動案を提出するということです。

 
行動しなければ未来は変わりません。
ただ、闇雲に行動してもうまくいかないですし、とはいえ、審議する案すら出せずにいる、もしくは出ている案が根拠に乏しく決めかねている。

 
そんなクライアントがコンサルタントに求めているのは「専門家による十分な根拠に基づいた行動案」です。

 
クライアントにとって「専門家による十分な根拠に基づいた行動案」に価値があるわけで=対価を支払っているわけで、「前月比150%でした」という事実の報告に価値を認め対価を支払っているわけではないのです。

 

「ポジションを取る」ということ

私は以前「外資系コンサルのスライド作成術 ~図解表現23のテクニック~」という本を購入しました。

お恥ずかしい話、資料作りが苦手で、センスがなかったので。
この手の本はいくつか買い漁りましたが、この本が一番良かったです。
こういう時はこういう見せ方にするとよい、などが分かりやすく説明されていて、スライドのサンプルも約100ほどあります。
デスクに常設し、ことあるごとに見てます。

 
著者は山口周さんという方で、「電通→ボストンコンサルティンググループ→A.T.カーニー等を経てヘイ・グループに参加」(本書の著者紹介より)といったキャリアです。

 
以下、本書の最初の章にある「メッセージの3条件」というところから一部を引用させて頂きます。

スライドの良し悪しはメッセージで決まる

に始まり、

とにもかくにも「何を言いたいのか=メッセージ」を明確化することが重要です。逆に言えば、良いスライドというのは「メッセージが明確である」こと、そしてそのメッセージが説得力のあるグラフやチャートでサポートされているスライドであると言えます。

と言っています。
続けて「良いメッセージ」の条件は以下の3つを満たしていることと言っています。

条件1.1スライド1メッセージとなっている
条件2.明快な主張がある(=ポジションを取っている)
条件3.短い(=ポイントが明確である)

 
条件2「明快な主張がある(=ポジションを取っている)」の説明が印象深かったため、以下に一部引用させて頂きます。

1990年代の半ばから後半にかけての時期のことですが、当時、大型コンペで電通が博報堂に連戦連敗するという事態が発生していました。もう時効だろうと勝手に判断して告白してしまいますが、電通、博報堂双方の営業企画部門に知人がいた私は、両社がコンペで提出した提案書を入手して比較するという、今から考えると際どいことをやっていました。恐らく7つくらいの対戦を分析したと思うのですが、全戦を通じてもっとも際立っていた違いが博報堂と電通の「主張の明快さ」でした。

さらにこう続きます。

博報堂の提案書の1枚1枚には「何が言いたいのか?」「示唆は何か?」という主張が非常に明確に書かれていたのに対して、電通の提案書には「顧客分析の結果」とか「市場のエリア別分布」といった、グラフやチャートのタイトルがスライドに書かれているだけで、一番肝心なメッセージ、つまりその分析や情報から、何が示唆として言えるのかということが書かれていなかったのです。

このあと例題を出して説明し、最後にまとめとして、

分析した結果のデータのみを提示して、示唆や解釈を提示しないというのは「解釈はあなたに委ねる」という態度です。なぜ解釈を委ねてしまうかというと、解釈が異なることで発生する摩擦を恐れているからで、つまり相手におもねているわけです。だから解釈できない。解釈しないからメッセージが出ない。メッセージが出ないからコンペに負ける。この悪循環を断ち切るためには、情報を解釈し、勇気をもって示唆を出す、「自分はこう思う」ということを主張することが求められます。右か左か、態度を決める。つまり「ポジションを取る」ことが求められているのです。

(中略)

ポジションを取る、ということは逆のポジションを取る人に戦いを挑む、ということです。その戦いに勝とうと思えばこそ主張をシャープにする努力が生まれる。ポジションを取る、というのはアウトプット・クオリティの根幹に関わる問題なのです。

とまとめています。

 

ポジションを取っていきます

私はかれこれ7年ほどクライアントのデータや情報を分析し、レポートを作成し、提出する、という仕事をやってきました。

 
この本を読んだ当時、それまでのアウトプットはポジションが取れておらず、事実の報告や、示唆に留まっていたことも多々あったなとすごく反省したのを覚えています。
ダメダメだったなと。

 
ちなみに「示唆」とは、

し‐さ【示唆】
[名](スル)《「じさ」とも》それとなく知らせること。ほのめかすこと。

出所:「デジタル大辞泉」

ということ=”明確”ではないので”ポジションは取れていない”という意味でダメと言いました。

 
たくさんお金をもらっているのに「それとなく知らせる」とか「ほのめかす」って。。。
で、どっちなんだよ、、、やったほうが良いのかやらないほうが良いのか、って思いますよね、普通。

 
私はブログもクライアントへのアウトプットも、きちんとポジションを取ったものにしていきたいと思います。

 
 
 
【参考リンク】

元マッキンゼー(と言われている)ちきりんさんも去年、似たようなこと言っていました↓

「AともいえるがBともいえる」とか言う人の役立たなさ(2013-11-23)

 
【2014/4/15(火)17:10 追記】
事例としての書籍からの引用であり、電通さん博報堂さんがどうこうというのは主旨ではありません。
提案においては、主張が明確であるか否かが非常に重要、ということが主旨です。
また、アクセス増目的&タイトル文言とSNSボタンのリアクションテストとしてサブタイトルに「-電通が博報堂に連戦連敗した理由-」を入れたことで語弊を招いてしまった及び招く可能性があったため、削除し、お詫び申し上げます。
と、誰かに突っ込まれる前に訂正させて頂きます。

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