はじめに
ChatGPTやClaudeに、こんなふうに聞いてパッと答えが返ってきたら少し便利ですよね。
「うちのサイト、今月いちばん伸びたページはどこ?」 「先週、流入が多かったチャネルは?」
ですが、そのままChatGPT/Gemini/Claudeに聞いても、「私はあなたのサイトのデータにアクセスできません」と返されてしまいます。
AIは世の中の一般的な知識は知っていても、あなたの会社のGA4プロパティの中身は知らないからです。
これを解決してくれるのが最近よく聞くようになった 「MCPサーバー」 という仕組みです。
この記事のゴールは、
- 「MCPサーバーって何?」がふんわり分かる
- 自分のPCで、GA4のデータをAIに聞けるようにする
の2つ。
技術が苦手な方でも追えるように、専門用語はそのつど比喩で言い換えながら進めます。
第1章: その前に ── そもそも「サーバー」って何?
「MCPサーバー」の話に入る前に、まずは 「サーバー」 という言葉について。
ここがあやふやだとこの先ぜんぶ宙に浮いてしまうので。
サーバーは「店員さん」
サーバー(server)という英単語は、serve(給仕する)+ -er(人)。
つまり「何かを頼まれて、応えて返してくれる側」のことです。
レストランのホールスタッフを「サーバー」と呼ぶのと、まったく同じ語源。
逆に、頼む側のことを クライアント(client) = お客さんと呼びます。
- お客さん(クライアント)が注文する
- 店員さん(サーバー)がそれに応えて持ってくる
ITの世界の「サーバー」も、本質はこれだけです。
頼まれて、応えるプログラム。
サーバー = 巨大なマシン、ではない
「サーバー」と聞くと、データセンターに並ぶ真っ黒なラックや、冷房がガンガン効いた部屋を思い浮かべる方が多いと思います。
あれも確かにサーバーですが、それは 「サーバーが動いている入れ物」 に過ぎません。
サーバーの実体は 「ある役割を持って動いているプログラム」 のこと。
あなたのMacの中で静かに動いている小さなプログラムでも、役割さえ果たしていれば立派なサーバーです。
じゃあ「MCPサーバー」って?
ここまで来れば、MCPサーバーの定義もシンプルです。
MCPという作法に従って、AIからの依頼に応えてくれるプログラム
多くの場合、自分のPCの中で動いている小さな店員さん、というイメージで大丈夫です。
第2章: MCPって何? (比喩で理解する)
ひとことで言うと
MCPとは、「AIと外部サービスをつなぐための、共通の話し方ルール」 のことです。
正式名称は Model Context Protocol。プロトコルというのは「お互いがやり取りするときの決まりごと」のことで、電話で「もしもし」から始めるとか、手紙を「拝啓」で始めるみたいな、そういうお作法だと思ってください。
以降この記事では「MCPの作法」と呼びます。
レストランの比喩
仕組みを理解するために、レストランに置き換えてみます。
- あなた = お客さん(質問する人)
- AI(ChatGPTやClaude) = ホールスタッフ
- GA4・freee・Googleカレンダーなど = 厨房(データを持っている場所)
- MCPサーバー = 厨房とホールの間に立ち、注文を伝えて料理を受け取ってくる 伝令役
あなたが「今月のアクセス数は?」とふんわり頼むと、ホールスタッフ(AI)はその意図を汲み取って、厨房(GA4)が理解できる形式の伝票に書き換えて渡します。
厨房が出してくれた料理(データ)を、AIがまたあなたに分かる言葉で運んできてくれる。この一連の流れの「伝票のフォーマット」を決めているのがMCPです。
USB-Cの比喩
もうひとつ、よく使われる比喩がUSB-Cです。
ひと昔前は、スマホの充電ケーブルがメーカーごとにバラバラでした。
AIと外部サービスの世界も、これまでは「ChatGPTとGA4をつなぐ専用配線」「ClaudeとSlackをつなぐ専用配線」と、組み合わせの数だけ専用の配線を作る必要がありました。
ここに「USB-Cみたいな共通規格を作ろうよ」と提唱したのがMCP(Anthropic社が2024年11月に発表)。
一度この規格に合わせておけば、どのAIからでも、どのサービスにもつながる世界になりつつあります。
第3章: 全体の仕組みを理解する
登場人物は4人だけです。
[あなた]
↓ ふつうの日本語で質問
[AIクライアント (Claude Desktop など)]
↓ MCPの作法でやり取り
[MCPサーバー (GA4用 / freee用 など)]
↓ 各サービスのAPIを叩く
[外部サービス (GA4 / Slack ...)]
ここで出てくる AIクライアント というのは、ひとことで言うと 「AIを使うためのアプリ」 のこと。
ChatGPTのアプリやClaude Desktopのように、普段あなたがAIに話しかけるときに開いている画面、と思ってください(第1章で出てきた「クライアント = お客さん側」と同じ語源で、AIに対しては”AIを使う側のアプリ”を指します)。
ポイント
- MCPサーバーは”サービスごと”に存在する GA4用、Slack用、Notion用…という具合に、つなぎたいサービスの数だけMCPサーバーがあります。
あなたはそれらを AIクライアントに登録しておく 形になります(「住所録に連絡先を登録する」イメージ)。 - AIが、どのMCPサーバーを使うかを”だいたい”自動で判断する あなたが「先月のアクセス数を教えて」と聞けばGA4用のMCPサーバーを、「先週のSlackで盛り上がった話題は?」と聞けばSlack用のMCPサーバーを、AIが自動で選んで使ってくれます。
ただし意図が曖昧だと間違ったサーバーを呼びに行くこともあるので、その場合は「GA4で調べて」と明示すれば確実です。 - 動かす場所は”自分のPC”か”クラウド”か MCPサーバーには、自分のPCの中で動かす ローカル型 と、提供元の会社がクラウド上で動かしている リモート型 の2種類があります。
本記事ではまず分かりやすいローカル型から始めます。
AtlassianやNotionなど、公式がクラウド版MCPサーバーを用意しているサービスもあります。
ローカル型は外部に認証情報を送らない構成ですが、動かすMCPサーバーの中身そのものは信頼できる提供元のものを使う必要があります(後述)。
第4章: 使えるようにするには? (準備編)
ここからは実際に使う話に入ります。準備するものは3つだけ。順に揃えていきましょう。
準備①: AIクライアント(Claude Desktop)を入れる
本記事では Claude Desktop(Anthropic社が無料で配っているデスクトップアプリ)を使います。
ChatGPTのデスクトップ版のようなもの、と思ってもらえれば大丈夫です。
- ブラウザで https://claude.ai/download を開く
- お使いのOS(Mac / Windows)向けのインストーラーがダウンロードされる
- ダウンロードしたファイルをダブルクリックして、画面の指示に従ってインストール
- 起動すると、サインイン画面が出るので、Anthropicアカウント(なければ無料で作成可能)でログイン
すでにお使いの方は、この手順は飛ばしてOKです。
準備②: Node.js(ノード・ジェイエス)を入れる
Node.jsとは プログラムを動かすためのエンジンのこと。
車に例えると、
- MCPサーバー = 車体
- Node.js = エンジン
エンジンが入っていないと車は動きません。MCPサーバー(車体)を動かすために、PCにNode.js(エンジン)を入れておく必要がある、というだけの話です。
(※Node.js以外にPythonというエンジンで動くMCPサーバーもありますが、本記事ではNode.jsに統一します)
インストール手順
- ブラウザで https://nodejs.org を開く
- 画面の真ん中に大きなボタンが2つ並んでいます。「LTS」と書かれている左側のボタン をクリックします(もう片方の最新版ではなく、安定版である “LTS” を選ぶのがおすすめ)
- お使いのOS向けのインストーラー(Macなら
.pkg、Windowsなら.msi)がダウンロードされます - ダウンロードしたファイルをダブルクリック
- インストーラーが立ち上がるので、基本的に 「続ける」「次へ」を押し続ける だけでOK。途中、Macの場合はパスワードを求められるので入力します
- 「インストールが完了しました」と出れば成功
インストールできたかの確認
ここで初めて ターミナル という画面を使います。
ターミナルって何? どうやって開くの? ターミナルは、PCに文字で命令を送るための画面です。怖がらなくて大丈夫、こちらから命令しないかぎり何も起きません。 – Mac:
Spotlight検索(⌘ + スペース)で「ターミナル」と打って Enter – Windows: スタートメニューで「PowerShell」と打って Enter真っ黒な(または濃紺の)画面が開けば、それがターミナルです。
ターミナルが開いたら、以下を1行入力して Enter キーを押します。
node -v
v22.x.x のような バージョン番号 が表示されれば、Node.jsのインストールは成功です(数字は時期によって変わります)。
準備③: 認証情報(=“鍵”)を作る
AIにGA4の中身を見せるための 許可証 です。
これは少し手順が多いので、第5章でじっくり作ります。
おまけ: 「設定ファイル」って何?
このあとの章で、Claude Desktopに「どのMCPサーバーを使うか」を教えるための 設定ファイル を編集します。
ファイル名は決まっていて、claude_desktop_config.json。
.json(ジェイソン)というのは「決まった書き方のメモ」のための拡張子です。Excelの .xlsx と同じノリで、「JSONという形式で書かれたファイル」という意味だと思ってください。
このファイルに、住所録のように使いたいMCPサーバーを書き足していくのが、設定作業の中身です。場所もOSごとに決まっています。
- Macの場合:
~/Library/Application Support/Claude/claude_desktop_config.json - Windowsの場合:
%APPDATA%\Claude\claude_desktop_config.json
(まだ開かなくて大丈夫です。第5章で実際に開きます)
第5章: GA4をAIに繋ぐ(実践編)
ここからが本番です。
ゴールは、Claude Desktopに「先月のオーガニック流入トップ10ページは?」と聞いたら、自動でGA4に問い合わせて答えてくれる状態を作ることです。
ステップは大きく4つ。
- Google Cloudで「鍵」を作る
- 鍵ファイルから必要な情報を取り出す
- 設定ファイルにMCPサーバーを書き足す
- Claude Desktopを再起動して試す
順にやっていきましょう。
Step 1. Google Cloudで「鍵」を作る
ここがいちばん手数の多いパートです。
やることは:
- A. Google Cloudのプロジェクトを作る
- B. GA4のAPIを有効化する
- C. サービスアカウント(=AI専用のGoogleアカウント)を作る
- D. サービスアカウントの鍵ファイル(JSON)をダウンロードする
- E. 作ったサービスアカウントをGA4に「閲覧者」として招待する
前提: Googleアカウントは持っていますか?
普段Gmailを使っていれば、すでに持っています(GmailのアドレスがそのままGoogleアカウントです)。持っていない方は https://accounts.google.com から無料で作成できます。
なお、Googleアカウント と Google Cloud は別物です。
Googleアカウントを使ってGoogle Cloudにログインする、という関係です。
Google Cloudの利用は基本的に無料の範囲内で完結します(GA4 Data APIには無料枠があり、手動で時々データを聞く程度の使い方なら超えにくいです。自動化や大量クエリで頻繁に叩く場合は制限に達することがあります)。
クレジットカードの登録を求められたら? Google Cloudの操作中、画面によっては「請求先アカウントのリンク(クレジットカードの登録)」を求められることがあります。
驚いて止まってしまう方が多いですが、GA4 Data APIには大きな無料枠があるため、本記事の手順をなぞる範囲で勝手に課金されることはまずありません。
先に進んで大丈夫です。
事前にメモしておくとラクなもの
このあとの作業で GA4のプロパティID(数字9桁) が必要になります。
先に控えておくと、Google Cloud作業中にGA4を行き来せずに済みます。
– GA4(https://analytics.google.com)を開く
– 左下「管理」(歯車アイコン)→「プロパティ設定」→「プロパティの詳細」
– 「プロパティID」欄の数字9桁をメモ
A. Google Cloudのプロジェクトを作る
「プロジェクト」というのは、Google Cloud上で作業するための 「フォルダ」のようなものです。
- ブラウザで https://console.cloud.google.com を開く
- 初回のみ、利用規約への同意画面が出るので「同意して続行」
- 画面上部のヘッダーに「プロジェクトを選択」というプルダウンがあるのでクリック
- 開いたウィンドウの右上「新しいプロジェクト」をクリック
- プロジェクト名に分かりやすい名前(例:
ai-mcp)を入れて「作成」 - 1〜2秒で作成完了。完成したらヘッダーのプルダウンから今作ったプロジェクトを選択しておきます
B. GA4のAPI(データを取り出す窓口)を有効化する
「AIがGA4にアクセスしていいよ」という窓口を、まずGoogle Cloud側で開けます。
- 画面左上の 三本線(ハンバーガー)メニュー をクリック
- 「APIとサービス」→「ライブラリ」を選ぶ
- 検索ボックスに「Google Analytics Data API」と入力
- 出てきた「Google Analytics Data API」をクリック
- 「有効にする」ボタンをクリック
これで窓口が開きました。
余裕があれば、同じ手順で「Google Analytics Admin API」も有効化しておくと、より万全です。
今後MCPサーバーがアップデートで「プロパティ情報の取得」などの機能を増やしたときに、追加作業が不要になります(本記事の範囲では Data API だけで動きます)。
C. サービスアカウント(AI専用の社員証)を作る
サービスアカウントというのは、人間ではなくプログラム専用のGoogleアカウント のようなもの。
「AI専用の社員証」を発行するイメージです。
- ハンバーガーメニュー → 「IAMと管理」→ 「サービスアカウント」
- 上部の「+ サービスアカウントを作成」をクリック
- 「サービスアカウント名」に分かりやすい名前(例:
ai-readonly)を入れる - 自動的に「サービスアカウントID」と「メールアドレス」が決まります(例:
ai-readonly@ai-mcp.iam.gserviceaccount.comのような形)。このメールアドレスは後でGA4に招待するときに使うのでメモしておく - 「作成して続行」→ そのあとの権限設定はスキップでOK(「続行」「完了」をクリック)
D. 鍵ファイル(JSON)をダウンロードする
作ったサービスアカウント(社員証)に、鍵を発行します。
- サービスアカウント一覧から、いま作ったアカウントをクリック
- 上部のタブから「キー」を選ぶ
- 「鍵を追加」→「新しい鍵を作成」
- キーのタイプは「JSON」のまま「作成」をクリック
- 自動的に JSON形式の鍵ファイル(
ai-mcp-xxxxxx.jsonのような名前)がダウンロードされます
※注意: この鍵ファイルはあなたのGA4にアクセスできる強力なものです。人に渡さない・SNSに上げないでください。
ダウンロードしたファイルは、分かりやすい場所(例: ~/Documents/keys/ フォルダを作って、その中)に移動して保管しておきましょう。
この後の作業で値をコピペしますが、万が一設定ファイルから値が消えても、このファイルから再取得できます(=保険として保管しておく、というのが目的)。
E. サービスアカウントをGA4に「閲覧者」として招待する
最後に、GA4側でこのサービスアカウントに見せる権限を付けます。普段、人間の同僚を閲覧者として招待するのと同じ操作です。
- GA4(https://analytics.google.com)を開き、対象のプロパティを表示
- 左下の 「管理」(歯車アイコン) をクリック
- プロパティ列の中の「プロパティのアクセス管理」をクリック
- 右上の「+」→「ユーザーを追加」
- メールアドレス欄に、Cでメモした サービスアカウントのメールアドレス(例:
ai-readonly@ai-mcp.iam.gserviceaccount.com)を貼り付け - 役割は「閲覧者」を選択
- 「追加」をクリック
これで、サービスアカウントがGA4のデータを読めるようになりました。
Step 2. 鍵ファイルから必要な情報を取り出す
ここで使うMCPサーバー(後述)は、鍵ファイルそのものではなく、鍵ファイルの中身から2つの値を抜き出して 設定ファイルに貼る方式です。
- 先ほどダウンロードしたJSONの鍵ファイルを、テキストエディタで開きます
- Mac: ファイルを右クリック →「このアプリケーションで開く」→「テキストエディット」
- Windows: 右クリック →「プログラムから開く」→「メモ帳」
- 中身は、こんな感じになっています(値は伏せてあります)
{ "type": "service_account", "project_id": "ai-mcp-xxxxxx", "private_key_id": "abcdef...", "private_key": "-----BEGIN PRIVATE KEY-----\nMIIEvQIB...(長い文字列)...\n-----END PRIVATE KEY-----\n", "client_email": "ai-readonly@ai-mcp.iam.gserviceaccount.com", ... } - このうち、
client_emailとprivate_keyの2つの値(ダブルクォーテーションの中身)を、あとでコピペすることになります
※注意: このファイルは 閲覧のみ にしてください。誤って保存すると形式が変わってしまうことがあります。次のStepで値をコピーするために、開いたままにしておきます。
Step 3. 設定ファイルにMCPサーバーを書き足す
いよいよClaude Desktopの設定ファイルを編集します。
設定ファイルにたどり着く
Macの場合
- Finderを開く
- 上部メニュー「移動」→「フォルダへ移動…」(または
⌘ + Shift + G) - 出てきた窓に
~/Library/Application Support/Claude/を貼り付けて Enter - 開いたフォルダの中に
claude_desktop_config.jsonというファイルがあるはず(初回起動後に自動生成される。なければ後述の方法で作る) - このファイルを右クリック →「このアプリケーションで開く」→「テキストエディット」
Windowsの場合
- エクスプローラーを開く
- アドレスバーに
%APPDATA%\Claudeを貼り付けて Enter claude_desktop_config.jsonを右クリック →「プログラムから開く」→「メモ帳」
ファイルが無い場合
まだ一度もMCPサーバーを設定していないと、ファイルが存在しないことがあります。
その場合は新規に作成します。
Macの場合 (テキストエディットでの注意点)
1. 「テキストエディット」を起動
2. 必ず先にメニューから「フォーマット」→「標準テキストにする」(⌘ + Shift + T)を実行(初期状態は「リッチテキスト」モードで、そのまま保存すると .json 拡張子でも中身が壊れて動きません)
3. 後述の中身を貼り付け
4. 「ファイル」→「保存」で、ファイル名を claude_desktop_config.json にして、上記フォルダに保存
5. 保存ダイアログに「拡張子が指定されていない場合 .txt を使う」のチェックがあれば 必ず外す
Windowsの場合 (メモ帳)
1. 「メモ帳」を起動して中身を貼り付け
2. 「名前を付けて保存」→ ファイル名に claude_desktop_config.json 、ファイルの種類を「すべてのファイル」に変更してから保存
中身を書く
ファイルを開いたら、以下の内容を そのままコピーして貼り付け ます(既存設定がある場合は後述)。
{
"mcpServers": {
"ga4": {
"command": "npx",
"args": [
"-y",
"mcp-server-google-analytics"
],
"env": {
"GOOGLE_CLIENT_EMAIL": "ここにclient_emailの値を貼る",
"GOOGLE_PRIVATE_KEY": "ここにprivate_keyの値を貼る",
"GA_PROPERTY_ID": "ここにGA4のプロパティIDを貼る"
}
}
}
}
そして、以下の3箇所を書き換えます。
GOOGLE_CLIENT_EMAIL… Step 2で開いた鍵ファイルの"client_email"の値(ai-readonly@...iam.gserviceaccount.comのような文字列)を貼り付けGOOGLE_PRIVATE_KEY… 同じく"private_key"の値を、-----BEGIN PRIVATE KEY-----\n...\n-----END PRIVATE KEY-----\nの全体をそのまま 貼り付け(改行が\nという文字で書かれているのが正解。改行に置き換えないでください)GA_PROPERTY_ID… 数字9桁のGA4プロパティID
GA4プロパティIDの確認方法 GA4の「管理」→「プロパティ設定」→「プロパティの詳細」の中に「プロパティID」という9桁の数字があります。
すでに他のMCPサーバーが登録されている場合
ファイルにすでに mcpServers の中身がある場合は、上書きせず 追記 します。
たとえば既に freee が登録されているなら、こんな形で , で区切って "ga4": {...} を追加してください。
{
"mcpServers": {
"freee": { ... 既存の内容 ... },
"ga4": {
"command": "npx",
"args": ["-y", "mcp-server-google-analytics"],
"env": {
"GOOGLE_CLIENT_EMAIL": "...",
"GOOGLE_PRIVATE_KEY": "...",
"GA_PROPERTY_ID": "..."
}
}
}
}
ざっくりの読み解き
"ga4"… MCPサーバーの呼び名(自由に決めてOK)"command"と"args"… 「どのMCPサーバーを起動するか」の指示。npx -y mcp-server-google-analyticsというコマンドを、Claude Desktopが必要に応じて勝手に実行してくれる"env"… MCPサーバーに渡す情報(認証情報とプロパティID)
npxってどこから来たの?npxは、準備編でNode.jsを入れたときに自動でついてくる仕組みです。新しく何かをインストールする必要はありません。
「インストール」しなくていいの? 上記設定の
npx -yという命令は、「もしmcp-server-google-analyticsがPCに無ければ自動でダウンロードしてから実行してね」という意味です。なので、別途インストールコマンドを打つ必要はありません。Claude Desktopが裏で全部やってくれます。ただし
npxは 実行のたびにインターネットからコードを取得して動かす 仕組みでもあります。信頼できないパッケージ名を指定すると、悪意あるコードを実行してしまう可能性があります。本記事のように 公式・有名どころのパッケージ名のみ を使うようにしてください。
書き終えたら 保存 して、テキストエディタを閉じます。
Step 4. Claude Desktopを再起動して試す
- Claude Desktopを 完全に終了 します
- Mac:
⌘ + Q(画面右上の「Claude」メニュー →「Claudeを終了」でも可) - Windows: 右上の×ではなく、タスクトレイのClaudeアイコンを右クリック → Quit(×だけだと裏で動き続けることがあります)
- Mac:
- もう一度Claude Desktopを起動
- チャット入力欄の下あたりに「ツール」のようなアイコンが増えていれば成功(クリックすると、登録したMCPサーバーが提供する機能の一覧が見られます)
実際に聞いてみる
ここまで来たら、あとは普通に話しかけるだけ。
- 「先月のセッション数を、流入チャネル別に教えて」
- 「直近28日間で伸びたページTOP10を、PV順に表で出して」
- 「先週と先々週で、流入元の構成比に変化があったか比較して」
AIが必要に応じてGA4に問い合わせ、結果をまとめて返してくれます。
初めて返してくれた時はちょっとした感動があります。
第6章: つまずきポイントと対処(FAQ)
Q. ツールアイコンが出てこない
設定ファイルのJSONの構文ミス(カンマ忘れ、括弧の閉じ忘れ、ダブルクォーテーションの閉じ忘れ)が圧倒的に多いです。
JSONチェッカー(https://jsonlint.com などのサイト)に貼り付けると、どこが間違っているか教えてくれます。
Q. 認証エラーが出る
サービスアカウントを GA4側で閲覧者として招待し忘れている ケースがほとんどです。
鍵を発行しただけでは中を見られません(Step 1のEを再確認)。
Q. データが0件で返ってくる
GA_PROPERTY_ID の指定ミスが多いです。
GA4の「管理」→「プロパティ設定」→「プロパティの詳細」で正しい9桁の数字を確認してください。
Q. 鍵を貼ったら動かなくなった
GOOGLE_PRIVATE_KEY を貼り付けるとき、エディタが勝手に \n を実際の改行に変換してしまっている ことがあります。鍵の値は 1行に詰めた状態で \n の文字をそのまま含む のが正解です(-----BEGIN PRIVATE KEY-----\nMII...\n-----END PRIVATE KEY-----\n のような見た目)。
Q. セキュリティは大丈夫?
MCPサーバーは基本的に 自分のPCの中だけ で動きます。
鍵はあなたのPCの設定ファイルに書かれているだけで、どこかにアップロードされるわけではありません。
とはいえ取り扱いには気をつけてください(うっかり設定ファイルをSNSや社外チャットに貼らないように)。
第7章: ここから先の世界
GA4がつながるだけでも十分便利ですが、MCPの本当の面白さは 「他のサービスも同じ手順でつなげられる」 ところにあります。
- Slack(自社の議論をAIに要約させる)
- Notion / Google Drive(社内ドキュメントを横断検索する)
- GitHub(コードや過去のIssueをAIに参照させる)
- BigQuery(社内データウェアハウスにAIから問い合わせる)
- freee(売上や経費をAIに聞く)
すでに有志が公開しているMCPサーバーは数百種類。さらに 「自分の業務専用のMCPサーバー」を自作する こともできます。「自分専用の通訳をAIに与える」発想は、これからAIを業務に組み込んでいくうえで間違いなくキーになります。
まとめ
- サーバー は「頼まれて応えてくれるプログラム」のこと
- MCP は「AIと外部サービスをつなぐ共通の話し方ルール」
- MCPサーバー はその作法に従って動く小さな店員さん。多くは自分のPCの中で動く
- 設定の流れは、鍵を作る → 設定ファイルに書く → 再起動の3ステップ
- まずはGA4から始めてみるのがおすすめ
「生成AIすごい」で止まっていた状態から、「生成AIに自社のデータを語らせる」段階へ。
最後までご覧いただきありがとうございます。
お疲れさまでした。
良いMCPサーバーライフをお送りください。

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