前段:2014年の主要トピックス
✔ ソチオリンピック(2月7日~23日)
✔ 消費税引き上げ前の駆け込み需要(1~3月)
✔ ブラジルワールドカップ(6月12日~7月13日)
サマリー
✔ 総広告費は、2008年のリーマン・ショック後、6年ぶりの6兆円超え。
✔ テレビ(地上波)、ラジオともに前年比102%と増加。雑誌は横ばい、新聞は98%と減少。
✔ 衛星メディア関連は前年比110%となり、ここ数年は約100億円前後の増加で推移。
✔ インターネットは前年比112%となり、初の1兆円超え。
✔ インターネット媒体費のうち、運用型広告費は5,106億円(同123.9%)=前年に比べ985億円増加となり、インターネット広告費の増加≒運用型広告費の増加。
✔ 折込と電話帳が前年比減、その他は前年比増。
広告費全体
▼サマリー▼
✔ 総広告費は、2008年のリーマン・ショック以来、6年ぶりの6兆円超え。
✔ 全媒体種別において前年比増。
✔ インターネットは前年比112%となり、初の1兆円超え。
✔ 総広告費に占めるインターネット広告費の比率が増加し、約17%となった。
✔ 衛星メディア関連は前年比110%となり、ここ数年は約100億円前後の増加で推移。
▼コメント▼
消費税引き上げ前の駆け込み需要やソチオリンピックの影響もあり、リーマン・ショックや震災で下がっていた部分が徐々に回復し、インターネットが引き続き成長を見せるなど、全体として比較的良い結果だったのではないでしょうか。
マスコミ四媒体
▼サマリー▼
✔ テレビ(地上波)、ラジオともに前年比102%と増加。雑誌は横ばい、新聞は98%と減少。
✔ 特に1-3月期は前年同期比で104%と年間を通じて最も増加率が高い。(電通リリース参照)
▼コメント▼
1-3月期のテレビ広告は、増税前駆け込み需要とオリンピックの影響が強かったでしょうね=これが「マスコミ四媒体」前年比増の主要因。
インターネット
▼サマリー▼
✔ 前年比、媒体費が114%(約1,000億増)、制作費が104%(約100億増)。
✔ 媒体費のうち、運用型広告費は5,106億円(同123.9%)=前年に比べ985億円増加となり、インターネット広告費の増加≒運用型広告費の増加。
✔ さらに、その多くを占めるのが検索連動広告で、スマホやタブレットが大きく伸長、と。
▼コメント▼
DMPの導入&活用も少しずつ増え、DSP/アドエクスチェンジ/SSPと併せ、
今後ますます運用型広告費は増加するでしょうね。
プロモーションメディア
▼サマリー▼
✔ 折込と電話帳が前年比減、その他は前年比増。
✔ 折込(22%)、DM(18%)、フリーペーパー・フリーマガジン(10%)でプロモーションメディア全体の約半分を占めている。
▼コメント▼
紙媒体は、スマホが取って代わる部分と、連動していく部分とがあるでしょうから、「テクノロジー」「SNS」「スマホ」「消費者」「他媒体の動き」を見つつ、引き続きいろいろと試していくんだろうな。
今後に対する個人的ざっくりコメント
Apple Watchが出てウェアブルやデータを活用したヘルスケア、テスラ社のIT自動車、家電を中心にIoTも進むでしょうし、2020年の東京オリンピックに向けての動きも活発になっていくでしょうし、この日本の広告費に「インターネット」というカテゴリがいつまであるか、と。
様々なモノがオンラインになっていって、便利なモノが増え、セキュリティ対策は並行&イタチごっこで、外部記憶に頼るなどにより退化する人は退化する=脳みそ格差が出てきたり、人工知能やドローンやPepperのようなロボが進化し、知的労働の価値が高まり=肉体労働の価値が低くなり、収入格差が拡がり、と。
テクノロジーについては、シリコンバレーを筆頭に、開拓は開拓する人に任せ、企業や個人はそれらを活用してどんな今までに無い新しい価値を生み出せるか=イノベーション、を行い、同時に、バズワードや派手な業界動向に惑わされず、きちんと自社に向き合い、日々やるべきことをひとつひとつ進めていくべきなんだと思います。
小さいことを積み重ねるのが、とんでもないところへ行くただひとつの道だと思っています。 by イチロー選手
備考1:データ元
備考2:媒体種別の定義
備考3:提供データ
エントリー作成用に作ったデータ(エクセルデータ)です。欲しい方はどうぞ。
日本の広告費Excelデータ(2005~2014年)
備考4:関連エントリー
▼2013年版
日本の広告費をいろいろグラフ化してみた(2006~2013年)