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Bruce Lee

【追記有】ウェブアナリストが絶滅危惧種になっているんじゃないかという話

“敗北は心の声だ。敗北だと思わなければ、敗北したことにはならない” by ブルース・リー

 
小学生の頃から心配性の冷え性です。(特に足先指先が)

 
もとい、最近、今自分がやっている仕事というか職種が絶滅危惧種になっているんじゃないかと心配しており、昨日ちょうど運営堂の森野さん市ヶ谷の古民家風呑み屋で日本酒を呑みながらいろいろと話したので、一部を”思い”に乗せ書きます。

 
ちょっと長めです、すみません。(だいたい日本人の読む平均速度が400〜600文字/分らしいので、5分くらいで読了できるかと)

ウェブアナリストの認知理解度はまだまだ低い

昨年から”Analytics Specialist”という日本では見慣れない肩書を使って仕事をし始めました。

 
日本では、と言いましたが、海外では”Web Analytics Specialist”という職種があり(結構地位が高い職種)、自分は、というか今後のアナリストは領域としてWebだけにとどまらなくなるので、Webを取ってみた、という流れです。

 
ただ、実質は、いわゆる”ウェブアナリスト”で(これも意味不明な人が多いと思いますが前者よりはマシかなと)、簡単に言うと、ウェブサイトのアクセス解析やウェブ広告の効果分析、改善提案、改善実施を推進、といったことをしています。

 
(以降、便宜上”ウェブアナリスト”という呼び方に統一しますが、「データマーケティングを推進あるいは実行していく人(※1)」という程度のざっくり定義で読んでください。ウェブコンサルタントも同じ、ぐらいの勢いです)

 
で、私の認識では、このウェブアナリストという職種は世の中的にはほとんど認知されておれず、せいぜい「アクセス解析する人」くらいの認識かなと。まぁ間違っているとまでは言いませんが。

 
で、そんな人らが集まる業界は当然マニアックでして、つまり、個人としても業界としてもマニアックな存在、という認識です。

 

でも結構必要とされている

一方で、”ウェブアナリスト”とは呼ばないまでも、こういったこと(※1)ができる人、を必要としている企業はたくさんあると思っています。

 
また、昨今の広告業界やテクノロジーを見たり聞いたり触れたりしていると、今後ますます重要な役割を担うポジションになってくるんじゃないかなと思っています。

 
※「ウェブアナリスト」という職種としての名称の認知というよりも、こういうことをやる人、こういうのを専門でやっている人、という”やってること”の認知理解ありきでの名称認知、が大事だと思ってます。呼び名はただのラベルに過ぎず、意味は無いので。

 

ここまでをザッとまとめると

現状、ウェブアナリストは人数も少なく世の中からの認知も理解もまだまだなマニアックな職種。

 
一方、企業のマーケティング活動において非常に必要とされる重要な人材で、現状既に足りておらず。

 
そして今後、IoT(モノのインターネット化)が進むにつれますます必要かつ重要なポジションになると思われる。

 
と考えた時に今、やっぱり全然プレイヤー数が少ないし、また、マーケティングもテクノロジーも分かる=高度なスキルを求められることも考えると、20代とか、若いうちからもっと入ってきてもらって成長していってもらわないと困るなと。

 
量も質も。
(もちろん新卒でいきなりこの領域に突進してきてくれてうんぬんといった話ではなく。業界のことを知る、自社のことを知る、とかっていうベースは必要かなと)

 

で、そう。ハッと

絶滅危惧種なのではないかと。ウェブアナリストって。

 
もしくは、そうなっていってしまうんではないかと。

 
今後ますます必要とされ、重要なミッションを担う人、になるであろうにも関わらず。

 

日本企業の弱体化とデータマーケティング格差

これは、ちょっと話を大きくすると、少子高齢化で国内の各マーケットがどんどんシュリンクしていくなかで、日本企業は世界市場で戦っていかなければいけないと。

 
にも関わらず、データを活用したウェブマーケティングのレベルが上がらないというのは、イコール、日本企業の弱体化に繋がる話で。
主に中小企業が。

 
というのも、今、すごく優秀なウェブアナリストやその周辺を実行できる人はいて、でも、数は少なくて、その人たちは高い報酬で大手企業から依頼を受け(=請負業者として)、あるいは中に入り(=雇われ)それ以上のリターンを返し、あるいは積極的に中小の中で理解もあり思いも強いところのサポート=仕事を行っていると。

 
なので、大手はどんどん力をつけて世界で勝負していけるようになり、中小でもいくつか優秀なアナリストと一緒に進められているところは戦っていけると思います。
データマーケティングという部分では。

 
ですが、中小で、思いはあるんだけど相性の良いウェブアナリストとも出会えず、というか、いたとしてももうその人が手一杯で依頼できず、自分らでやろうとするもままならず、、、といったところ(中小企業)が増えるだろうなと。(思いが無いとかお金をあまり出したくないというところは、、、)

 
あとは、今もう既にですが、アナリティクス格差というか、データマーケティング格差は確実に広がっていて、今後、もっと広がると思っています。

 
ヒト・カネ・モノといった体力の差によるマーケティングレベルの格差はどうしても致し方ないにせよ、単純にお金はあっても職種(業界)の人材不足、みたいなことで広がる格差はもったいなくて、人が増えれば解決できる部分もあると思っており。(ただただ量が増えれば、という意味ではないです)

 

なにかやらないとな、と

そういうわけで、ウェブアナリストという職種の認知、「何やってるのか」「うちに必要なのか」といったような理解、「やってみたい」といった興味関心を持ってもらう、といった人材の量と質のUPを目的に、大枠でいうと”アナリティクス市場の活性化”をミッションに掲げ、何かやっていきたいなと思っています。

 
また、その取り組みの中で、今後テクノロジーの進化によって、コンピュータが最適解を出し実行してくれる部分が増えてくるとも思っているので=今やっている自分たちの仕事が無くなるであろう将来を考え、でも人でなければできないところはあるでしょうから、あるいはそういったところを開拓していく、といったテクノロジーとの分業、協業についても議論し、発信していきたいと考えています。

 
 
この業界は、数年前に諸先輩方が切り開き、牽引し続け、今もなお牽引してくださっています。

 
その状況に甘え、何もできていない次の世代の人間として、これまでの甘えという意味でなく、今後、直接あるいは間接的なご支援はお願いしつつも、バトンを渡されたと勝手に思い込み、牽引していくといった気概をもってやっていきたいと思いますので、皆々様どうぞご協力のほどよろしくお願い致します。

 
(大きく宣言して自分の首を締めてやらざるを得ないような状況にして、なんとかやろうとしているパターンです)

 

#追記(2015/3/4の夜)

つたない文章にせいですが、語弊があるといけないので、以下2点について追記します。

 
(1)ウェブ解析をする人が減ってきている、という意味ではないです。
むしろどんどん増えていっていると思います。
程度の差こそあれ、ウェブ担当者はほとんどと言っていいほどアクセスログデータを見ていると思います。
ウェブにおけるデータ解析の重要性、必要性は多くの人が理解してきていて、すそ野は確実に広がっています。

 
絶滅危惧種、と言いたかった本エントリーでの”ウェブアナリスト”とは、対価を得てウェブ解析分析を行っている人で、すごく極端に言うと、「この領域でメシを食っていきたい(食ってる)よ!幅も深さも追求していくよ!独立したい(してる)よ!」くらいの勢いで、日々現場でゴリゴリ実践しているような人、というイメージです。

 
ざっくりしたイメージは職人みたいな感じです。(部分的な意味で)
もしくは、スポーツでいうと、アマチュアかプロか、みたいな。
アマチュアだろうが趣味だろうがレベル高い人は高いですが、プロ=ビジネスとなるとまたひとつ意識も技術もレイヤーを上げる必要があって、みたいな。

 
全体的に説明がフワッとしてしまい、全然ロジカルではないのですが、結局「気概」という部分が大きいのかもしれないです。意識、モチベーション。
それが行動の源だと思うので。
※きちんと文章化できないということは、自分自身、この定義が曖昧なままの主張である、と認識しています、すみません。

 
(2)諸先輩方のこれまでの功績、引き続き業界にもたらしている成果を否定しているつもりは毛頭ありません。
否定し、だから自分がなんとかしなければ、という意味ではまったくないです。

 
アナリティクスアソシエーション(旧アクセス解析イニシアチブ)=a2iの功績は絶大だと思っています。
a2iが無かったら今の業界のこの状況は無かったと言っても過言ではないです。
私の今も無かったと思います。多くの人がそうだと思います。
業界としては、a2iあっての今です。

 
また、「ウェブ解析士」の功績も素晴らしいと思っています。
a2i同様すそ野を広げると同時に、座学による基礎から応用までを体系的に身に付ける機能として圧倒的な役割を果たしていると思っています。
ウェブ解析、という言葉の認知が広がったという効果もあると思いますし。

 
ブログ、セミナー、本などなどで積極的にアウトプットしている諸先輩方は信頼できる情報源であり、業界を牽引してきた先人、先生、モデルです。

 
上記を前提に、次の世代が=私の世代が、その次の世代と企業のデータマーケティングの一助となるようなアクションを行っていきたい、という主旨でした。

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代表取締役
渋谷 泰一郎
Taiichirou Shibuya
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